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検証!? 2019年度GPIF実績

検証!? 2019年度GPIF実績

 7月3日、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が2019年度の運用実績等を公表しました。内容は下記の通りです。

          収 益 率 : -5.20%

          収 益 額 : -8兆2,831億円

          運用資産額 : 150兆6,332億円   

 これを受けて、新聞等では「GPIF 19年度運用実績、8兆2831億円の赤字 リーマン以来」(毎日新聞)や「GPIF、19年度8兆円赤字 リーマン危機以来の水準」(日経新聞)といった赤字額を強調する見出しが散見されました。

 でも、よく考えてください。年金運用は半年や1年で見るものではないですよね。確かに決算は1年に1回行われないといけませんが、運用実績は別の話です。もともと年金運用は長期運用ですから10~20年サイクルで見るべきです。また、収益額で判断すると単位が億や兆なので一般人には大きく感じてしまいます。比較するならば収益率で測るべきでしょう。2019年度の収益率は-5.20%、リーマン時は-7.57%でしたのでリーマン時と比較した場合、思っているほど大きくないことがわかります。通期(過去19年間)で見た場合、収益額は57兆5000億円、収益率は2.58%です。銀行に預けておくよりも数倍いい運用となっています。リターンとリスクは表裏一体です。「元本を割らない運用」となると1年満期の国債などに限定されてしまいます。収益はほぼゼロです。

では、次にGPIFの運用ポートフォリオを見てみましょう。

 上図の内側に記載された数値が基本ポートフォリオで、株式と債券が50%ずつ、国内と国外も50%ずつとなっています。対して2020年3月末のポートフォリオ(外側の数値)は国内債券23.87%、短期資産(現金)5.95%、国内株式22.87%、外国債券23.42%、外国株式23.90%となっています。コロナ禍で株式の比率が少し低く、一方で外国債券の割合が基本ポートフォリオの乖離許容幅より高くなっています。新型コロナウイルスのパンデミックで世界各国が経済対策で低金利政策を採っている環境下、債券+現金が53.24%を占めています。債券利回りがほぼゼロでは資産が「死産」になっています。また、国内資産より収益性の高い外国資産(外国債券+外国株式)の比率が47.32%と基本ポートフォリオの50%未満となっています。これでは高パフォーマンスは見込めません。確かに株式の比率を高めた場合、今回のような急落時には損失が増えますが、ご存じの通り株価は急回復。米ナスダック市場はコロナ前の水準を超え、史上最高値を更新中です。この点においてGPIFのポートフォリオには改善に余地があると思われます。

事実、世界の主だった年金運用の成果は下の通りとなっています。

 2018年度までのデータとなりますが、他の3つの年金運用ポートフォリオは株式の比率がすべて50%以上となっています。しかも海外株式となっており、自国以外の株式での運用が主となっています。カリフォルニア州政府職員年金(通称:カルパース)だけは自国である米国株式の比率は自然と高くなってしまいます。カナダ公的年金の海外株式割合は実に85%と高い比率となっています。その結果、通期の平均利回りは8.48%です。日本から見れば羨ましい限りです。

 GPIFの2019年度レポートでは『概ね50年程度は取り崩す必要がない資金』と書いてあります。読み方を変えると「50年程度後からは取り崩さなければならない資金」と言えます。これが今回の新型コロナウイルスに影響で早まる可能性は否定できません。自助努力での資産形成は必須な時代になっていると思われます。